神奈川県のある漁港の冷凍庫
冷えないとの連絡があり対応しました。
かなり古い機械です。30年は経っています。
見てみると、ELB 漏電ブレーカーが作動していました。
冷凍機や、庫内の何処かで漏電しているということです。
メガテスターを使い、漏れ箇所を探していきます。
まずは全体の抵抗値を測定、0.02MΩです。
MΩ(メガオーム、メグオーム)は、1Ωの100万倍ですから、2万Ωですね。
なかなか大きな抵抗値に思えますが、これはアウトですね。
漏電ブレーカーは、1MΩ以下で作動することになっていますし、
乾燥した状態で、正常な機械であれば、20MΩ以上は確保したいところです。
さて、漏電箇所を探していきましょう。
部品を一つ一つ取外して(電気的に独立させて)、抵抗値を測定します。
闇雲にあたってもいけませんので、漏電の可能性の高いもの、確認のしやすいものから順にあたります。
まずは大物、コンプレッサーは? 全く正常です。20MΩ
配線が傷んでよく漏電する、クランクケースヒーターは? 正常!50MΩ
インターナルサーモ?、コンプレッサーの内部の温度上昇を検知する部品です。
たま~に、あるんだよな。 む、正常。
では、サーモ・電磁弁の回路は? 庫内を通っているし、ここかな?
あれ、正常だなぁ。
やや、焦ってきます。
リモートコンデンサーのファン回路は? お、出ました、0.05MΩ。
犯人を見つけました!
では、取外した残りの回路は正常なはず。 確認します。
え! 0.05MΩ ….
この部屋には、共犯者がいるようです。
奮闘すること暫し・・・・
圧力スイッチ、マグネットリレー、庫内のドレンホースヒーター
これらの抵抗値が、0.05MΩ ~ 0.5MΩ で組み合わさることにより、0.02MΩになるようです。
どうやら、単体での故障による漏電ではなく、制御ボックス内の各部品が、全体的に湿気を帯びているようです。
30年積もったホコリと、海のそばの潮風と、そういえば昨晩は大雨でした。
ザラザラの黒い砂のようなホコリを拭いて、ドライヤーを当てて乾かします。
2MΩ!
なんとかセーフな値です。
年数や、環境を考えると精一杯な感じです。
今回は、苦労しました。
その苦労した冷凍機はこちら。
庫内がこちら。
コンデンサーは、こちら。