今日は平成30年12月31日です。
今年もいよいよ終わりとなります。
年末はお陰様で現場作業が忙しく皆が総出で、なかなか更新することが出来ませんでした。
今回は、以前にお伝えしました、電気溶接への取り組み 第二弾ということで、
本格的なTIG溶接の研修を弊社から2名で京都府舞鶴市にあります
小阪金属工業(株)殿の工場にて(無理をお願いして)受けてきましたので、
その様子をお伝えしたいと思います。
(小阪金属工業の皆様、本当にありがとうございました。)
そもそもTIG溶接(ティグようせつ)とは、電気を用いたアーク溶接方法の一種です。
(先日お伝え致しましたのはその中の被覆アーク溶接です。)
TIGは、Tungsten Inert Gas(タングステンイナートガス)の略で、タングステンと
不活性ガスを用いた溶接の意味で、電極棒にタングステンをシールドガスに主に
不活性ガスのアルゴンガスを使用して、溶接対象の金属同士を溶かして付ける
「共づけ」溶接や別の溶加材(溶接棒)をアーク中で溶融して溶接する方式です。
TIG溶接は他のアーク溶接方法に比べ、溶接痕(ビードといいます)が美しく、
スパッタ(余分な付着物)が付かないといった
メリットがあります。デメリットとしては、短時間での溶接に向かないことやシールドガスに
比較的高価なアルゴンガスが必要なこと、また、溶接機が高価であることが挙げられます。
↑代表的なダイヘン製のTIG溶接機です。
↑トーチ部分です。
今回の研修は、月曜日午後~土曜日午前の間、朝8:00時~夜19:00頃まで小阪金属工業さんのご厚意に甘えて
みっちりと教えて頂きました。(お忙しい中本当にありがとうございました。)
まずは平板を溶かしてビードを作る練習です。
↓の写真のようにステンレス板一枚に出来るだけ溶接ビードを裏表に並べ、それを何枚も練習させて頂きました。
その後、溶接棒を使わない共付け溶接を練習し、
いよいよ溶接棒を用いた作業を教えて頂きました。
普段、銅管のガス溶接はロウ棒を用いて行いますので、似たようなものかと
思いきや、これが本当に難しかったです。銅管のロウ付け溶接は溶接中の手直しが
いくらでも出来るのですが、TIG溶接は進行に沿って均等に溶接棒をくべなければならず、
失敗したところの手直しが容易ではありません。(失敗すると、即溶接欠陥となってしまいます。)
↓たくさんの溶接をさせて頂き、物量は一人でこの写真の3倍くらいとなりました。
↓箱も作ってみました。
最後に配管の溶接も教えて頂きました。
配管の溶接は溶接姿勢が下向き、縦向き、上向きと順次替えていかなければいけないので
本当に難しいです。↓
今回、まるまる一週間、朝から晩まで溶接漬けの毎日で、何とかモノが付けられる
程度までの技術を習得することができました。
と言っても溶接士としては初歩中の初歩という段階で、むしろ奥の深さを思い知った
という感覚の方が大きいです。
研修のあと、小田原に戻り、早速TIG溶接機を内田商事株式会社さんから購入
させて頂きました。(↓ダイヘン製TIGMINI200PⅡ)
早速弊社の業務に導入し、業容の拡大に大変効果を上げております!!
研修の甲斐があり、電気溶接に取り組んで本当に良かったです!!